ニコンFEは、FM、FAなど似たような名前が多い機種です。
ざっくりと、電子シャッターのニコンFE、FA、機械式のFMと覚えてください。
後継機に、ニコンFE2があります。
分解難度 ★★★★★ パーツ数★★★
※体験教室用のまとめ記事です。修理依頼を頂いた場合と異なり精度より簡単を優先してます。
基礎知識
電子シャッターのため電池がないと、BかM250以外ではシャッターは切れません。
逆に言うと通電してなくてもシャッターは切れるので、不良を知りつつもわざと「シャッター切れます」とうたって販売していることもあるので注意が必要です。
巻き上げレバーの横には、羽の形した多重露光用の切り替えレバー(Multi-exposure Lever)がついています。
それが下がった状態だと同じくBかM250以外ではシャッターが切れず、またカウンターも動きません。
トップカバーの分解
カバーの分解、およびファインダー清掃は難しいです。スクリーンはミラー室から清掃できるので、トップカバーを開けるときはカビに蝕まれてしまったときのみ、覚悟を決めて行ってください。
まずはバルブにして裏ブタを外します。クランク側面にあるレバーを下にひきながら、上に引き上げます。
片手でやると画像のような感じです。
ニコンはFEに限らず、裏蓋を開けるのにひと手間いる機種が多いです。
蝶つがいにあるピンを押し下げれば外れます。
巻き上げレバー上のカバーを外します。
カバーわきに溶剤を入れた後に、ゴム板で回します。
ゴム板で外れないときは、カバーの皮をはがすとその下にカニ目があります。
皮の境目に溶剤を差してから、端からはがしてください。
カニ目レンチを使えば、ゴム板で回すより力が少なくて済みます。
レバーは、針金で引っかかっています。針金部分をマイナスドライバーなどで外してからレバーを抜いてください。下にあるプラスチックのレバー(多重露光スイッチ)はつけたままでOKです。
巻き戻しクランクを外します。
フィルム室内の二股を固定してから回します。
ノブで回すとプラパーツのため割れることがあるので、円盤部を握って回してください。
クランクを外すと、一緒に下の金具とワッシャー、二股の軸が外れます。
組み戻すときは、バネがあるので少々難しいです。
続いてCクリップを外し、その下のパーツを取ります。
バネのついた金具があります。
このパーツはFE以外にも、ニコンでたまにお見受けします。
初見だとここで撤退すると思います。
軸の隙間に金具が入り込んでいるので、外側に出します。
外側に出したまま少し上に上げて軸に引っ掛けます。
画像は、金具が軸に引っ掛かって内に入り込んでいない状態です。
その状態のまま、今度は突き出たシャフトがある部分を下からめくるように押し上げます。
バネ付きの金具が取れます。取るときにバネの力で飛ばさないように注意して下さい。中央の銀の円盤上にあるネジを3本外します。
シャフトを挟んでネジのように回して外します。
ネジ3本を外しプラパーツを取ります。
シャッターダイヤルを外します。
側面のイモネジ3本を緩めて上に抜きます。
レリーズが邪魔なので回転させながら緩めることになりますが、どこでダイヤルを外したか迷わないように、最後の一本はバルブにしてから緩めるとよいです。
ボディ周りにあるネジを5本抜きます。(前面2本、後面2本、側面1本)
分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。
ファインダーの清掃
アイピース上にあるへの字の金具をはずして基盤を上に逃がします。
真ん中のネジを外して金具を取り、基盤の左右が埋まっているので上に抜きます。
左右のネジを外してアイピースを外します。
なお、このネジの下側にワッシャー(スペーサー)があり、ネジを取ると抑えがなくなるため、ずれ落ちることがあります。*後で注意点として記載します。
ネジを取ってもアイピースは緩むだけでめくれません。画像矢印先の端子を外します。(端子は二つありますが内側だけ外します。)
一見はんだ付けしてあるように見えますが、内側を見るとネジでとまっています。
アイピースを引き出しながら、端子のネジを外してください。
軸が細いドライバーでないと基盤に干渉してネジが回せません。
青い線を一本残してアイピースがフリーになります。
ファインダー清掃時の注意点
アイピース横のネジを外すと、下のワッシャーがずれたり外れたりします。
見慣れない金の輪っかが落ちていたら戻す場所は画像の位置です。*逆側も同じパーツがあります。
また、位置がずれているとネジが閉まらないので、組み上げる際には正位置に戻してください。
巻き上げレバーの戻し方
外した針金の先を、レバーに空いた穴にひっかけます。
ひっかけたまま、回します。この時ひっかけたバネが軸の側面を通ることを意識してください。
レバーが巻き上げの開始位置に戻ったら、針金の先が時計の5時くらいの方向を向いていると思いますので、マイナスドライバーで3時くらいの位置まで動かしつつレバーをはめます。
これは、針金が巻き上げの側面でなくて上側に乗っかってしまうのを防ぐためです。
針先を上に押しつけながらレバーを組んで下さい。
バネが側面を通らずレバーとボディで挟んでしまう位置だと失敗です。
カバーを付けた後、巻き上げはできてもレバーが戻らなくなります。
以上ニコンFEの分解とファインダー清掃でした。
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