ペンタックスSVは、シャッター幕がカチカチになっているものが多く、そうなるとシャッター幕を交換しないと正常動作しません。
幕が使える状態ならば、シャッターの動きが息も絶え絶えな状態でもグリスアップなどをしっかり行えば復調することが多いです。
ちなみに、巻軸に巻き付いている細い幕(シャッターリボン)が切れても動作的にはシャッターが切れるので分解前によく確認しておくことをおすすめします。
今回はトップカバーの分解を行いプリズムを取り出します。
巻き上げ、シャッターダイヤル、巻き戻しクランクを外していきます。
シャッター速度をバルブにしておくと、組み戻した時のシャッターダイヤルの位置チェックがしやすいです。
カウンター周りのイモネジを3本外します。
カウンターを止めているマイナスネジを外します。
逆ネジです!!
カウンター盤を外します。小さい穴がギアと組み合わさっているのを確認しておいて下さい。
ギアを上に抜きますが、この時裏蓋が開いていないと外れません。
ギアの下にあるカニ目のあるナットがかなり硬いです。
先を平たくやすった大きめのペンチで外します。
この組み合わせは忘れると戻せないので、よく覚えて下さい。
レバーを止めているマイナスネジ2本を外します。
空回りしないように固定し巻き戻しクランクを外します。
マイナスネジ3本を外します。
軸を止めているリングに一箇所針金が飛び出ている部分があります。押しながら下のASAダイヤルを外します。
※うまく外れない場合は、リング自体をカニ目レンチなどで回して外して下ださい。カニ目の隙間が薄いので、刃先が薄く無いと回せません。
巻き戻しの軸も落ちてくるんで回収して下さい。
シャッターダイヤルのイモネジを3本緩めて上に抜きます。
分解に必要な各パーツは取れたのでトップカバーを外します。
左右の肩の2本と、アイピース横の2本のネジを抜きます。
後期バージョンだとアイピース横ネジはありません。
レリーズボタンが残りますので回収します。
◆プリズムの取り外し
プリズム左右のバネを取ります。
バネを戻す時は、プリズム左右にある穴にフックを引っ掛けます。
プリズムを取り外しました。
SVのプリズムは、SPに比べて腐食していることは少ないです。
SPのプリズムの代用品として使えますが、僅かにサイズが小さいことを考慮して下さい。なお、SPFやKMには使えません。
露出計が無いのでスクリーンの清掃は楽です。
スクリーン清掃だけが目的ならば、プリズムをはずさなくても、周りにあるマイナスネジを3本外すと、プリズムの載った枠ごと上に外せます。
◆組み上げ
カウンター部分が分かりづらいので解説します。
レバー上のパーツはめる際は、パーツの位置に注意して下さい。
爪がピンの外側になるように組みます。
元の位置に引っ掛けてから爪をピンの外側に持っていきます。
元の位置に戻しナットで締めます。
ギアの戻し方にはコツがあります。
一度はめた後、反時計周りで時計の5時辺りまで回します。
回していると僅かにテンションが掛かってきて、離すと6時の位置で止まります。
この作業をしないと、裏蓋を開けた後のカウンターリセットがされません。
以上ペンタックスSVの分解とプリズムの取り外しでした。
コメントをお書きください